実はちょうど2年ぐらい前にも行ったことがあり、2回とも中部電力の方が行き帰りのバスに乗車されていました。2回とも原子炉建屋内を含む見学でしたが、見学内容は震災前と震災後で少し異なり、今回は津波対策として建設された高さ海抜18mの防波壁も間近で見学しました。
前回はプルサーマル発電について熱心な説明がありましたが、今回は触れられることがなく、説明は地震・津波対策にほとんどの時間が割かれていました。その中で印象に残ったのが「世界一安全な原子力発電所を目指す」という言葉が何回か出てきたことで、浜岡が「世界一危険な原子力発電所」と言われていることを中部電力が強く意識していると感じました。
防波壁だけでなく、取り替えられた強化防水扉、複数の予備電源など、おそらくこれだけの対策がなされた原子力発電所はないでしょう。「世界一の地震・津波対策がなされた原子力発電所」であることは確かだろうと思いました。
参加者側にも大きな変化がありました。前回は愛知建築士会小牧支部の事業だったので、両方に出席したのは私だけですが、その違いは市民意識が変わったことを認識させるに十分でした。今回の出席者からの質問内容は「発電コストに地元への交付金が含まれていないのではないか?」など厳しい内容ばかりでした。帰りのバス車中で参加者全員の感想・意見が発表されましたが、中電の人がいたにもかかわらず、(私を含め)半数以上の方が原発をゼロにすべきという発言がありました。
福島原発事故が起きた時に、今まで原発事故が起きる可能性がゼロではないことを知りながら、その「不都合な真実」から目を背けてきた自分を恥ずかしく思いましたが、多くの人がそれに近い思いを持っていたことが、今回わかりました。